チリワインについて

え?!日本に輸入されているワインは

フランスではなくチリが1位?!

 

そうなんです。

財務省の貿易統計によると

2015年から2年連続でチリワインが日本のワイン市場で

輸入量のトップに輝きました。

ワイン大国フランスとイタリアを抑えての堂々1位です。

チリワインは日本におけるワイン文化の普及に

一役買っているといえるでしょう。

では、なぜチリワインが安いのにおいしいのか

今回はその秘密や魅力、特徴を探っていきます。

 

●チリワインのコストパフォーマンスがいい理由

チリワインのコスパの良さには3つの理由があります。

①人件費などのワイン造りにかかるコストが低い

②フランスワインにも負けないような

 質の高いブドウを収穫できる

③関税が安い


チリは南アメリカでは比較的裕福な国ですが

いわゆる先進国に比べると経済的には

これから発展していく国の一つです。

物価が安く、人件費を含めてワイン造りにかかる費用が

安く済んでいます。


●良質なブドウを収穫できるチリの自然環境と気候条件

チリは、南アメリカ大陸の西側に

南北に細長く位置しています。

この特異な自然環境から

ブドウ栽培に最適な気候条件が生まれます。

基本的には地中海性気候ですが

太平洋を流れるフンボルト海流(ペルー海流)が

涼しい海風をもたらします。

ヨーロッパよりも雨が少なく乾燥していますが

アンデス山脈の雪解け水が豊かな恵みを与えます。

標高が高いため、昼夜で気温の差が激しいことも

風味豊かなブドウをつくり出す要因の一つです。

また、ヨーロッパに比べて日照量が多く

太陽の光を十分浴びることにより

果実に含まれるポリフェノールが高くなります。


四方を厳しい自然に囲まれたチリは

環境的に孤立していますが

これがワイン産地としての成功を呼びます。

19世紀後半、フランスでフィロキセラという

寄生虫がブドウの木を絶滅の危機にさらしました。

フィロキセラは、もともと北アメリカに

棲息していたブドウネアブラムシのことで

文字通りブドウの根に寄生して木を腐らせてしまう

いわばワインの天敵です。

フランスでは被害が確認されてから

10年のうちにフィロキセラが全土に広がり

ブドウ栽培は壊滅的な被害を受けます。

ヨーロッパ系ブドウには

寄生虫に対する耐性がなく

被害はヨーロッパ全土に広がりました。

 

壊滅的状況から脱するために生まれたのが「接ぎ木」です。

フィロキセラは木の根に寄生するため

耐性のあるアメリカ系品種のブドウの木に

ヨーロッパ系品種のブドウの木を接ぎ木したのです。

こうしてブドウの木を死守しましたが

自根(自分の根)を持つヨーロッパ系ブドウの木は

ほとんどなくなってしまいました。

現代においてもなお、チリはフィロキセラの被害を受けていません。

そのため、チリには

ヨーロッパにはすでに存在しない

自根のヨーロッパ系ブドウの木が今でもあります。

さらに、フランスではすでに絶滅したカルメネール品種が

近年チリ中央部で発見されました。

チリのワイン造りの発展に大きく貢献したのが

フランスから来たワイン醸造家たちです。

ヨーロッパの主要なワイン産地がほぼ全滅してしまい、

職を失った醸造家の多くが新大陸のワイン産地へと渡りました。

このような歴史を見れば

なぜチリで造られるワインがおいしいのかがわかります。

近年は価格の安いワインだけでなく、国際的なワインコンクールで高く評価される高級ワインの生産にも力を入れており、世界的にも注目されています。

 

チリで生産されるワインの

およそ4分の3は赤ワインです。

そのため赤ワイン用の黒ブドウ品種が

多く栽培されていますが、

一方で白ワインも高く評価されています。

フランスからブドウの苗木や

ワイン造りの技術が伝わったチリでは

主にヨーロッパ系のブドウ品種が栽培されています。


また、チリの気候は

ブドウ栽培に適した地中海性気候ですが

ヨーロッパと異なるのは日照時間が長く

温暖であることです。

この環境で栽培されたブドウは

完熟度が高いため

アルコール度が高く力強いワインになります。


チリのワインがなぜ安くておいしいのか

その理由がわかれば、

安心してチリ産ワインを楽しむことができます。

厳しい自然環境で害虫が少なく

農薬の使用も最小限で済むことから

限りなく自然派に近いワインといえるかもしれません。

旧大陸では失われてしまった

自根のフランス系ブドウの木が残るチリでは

これからも驚くようなワインが

登場してくることでしょう。

CONOMINIでも商品ラインナップに加えていく予定ですので

お手元に届いた際は楽しんでみてください♪